甲骨文字とは



甲骨文は、今から三千年以上も前、殷王朝の代々の帝王が祭政を 行うに当たり、 事前にその吉凶を占うのに用いた 占ト用の文字である。 これが 発見されたのは十九世紀末である。 その後、解読が進められたが、現在に判明したものは、僅かに千五六百字に過ぎない。 もともと占い用の文字であり、その上この字数では現代人が書として詩文を揮毫するのには 到底その要求に答えることは出来ない。 ところが漢字は生活文化の膨脹と多様化により大幅に字数の増加を見、漢代に編纂された 「設文解字」では九三五三字に、明代の「康煕字典」では、なんと五万字近くに膨れ上がっている。 ところで、以後三千年にも亘って死字であったにも拘らず、書を純粋に芸術と考える 現代の書芸術家にとっては、甲骨文は造形的に大変に魅力に富んでいる。